産業廃棄物とは
産業廃棄物とは
私たちが生きていく上で、必ず発生してしまうのがゴミ、正式には廃棄物と呼びますが、その扱いや処理の方法に細かいルールが定められていることがほとんどです。
特に事業を推進していく中で多くの廃棄物を排出してしまう事業者の場合、廃棄物についての知識や、また廃棄物をどのように扱わなければならないかを正しく理解しておく必要があります。
この記事では廃棄物について、またその分類、区分けや処理の流れなどについて、詳しく解説していきます。
廃棄物の区分
産業廃棄物の種類
排出事業者責任
産業廃棄物の排出量
処理の流れ
廃棄物の区分
日本の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)は廃棄物をまず産業廃棄物と一般廃棄物に大別されます。
そして、産業廃棄物は以下の2種類に区分されます。
産業廃棄物
特別管理産業廃棄物
一般廃棄物は以下の3種類に区分されます。
家庭廃棄物
事業系一般廃棄物
特別管理一般廃棄物
産業廃棄物の種類
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物のことです。
混合廃棄物
産業廃棄物は種類ごとに分別し、正しい処理をしなくてはなりません。
複数の種類にまたがって混在し、分別が難しい廃棄物を、混合廃棄物といいます。
産業廃棄物の収集運搬や処分には、行政の許可が必要不可欠です。
許可を持たずして業務を行ったり、許可を持たない業者に処理を頼んだりすると、罰則や行政処分の対象になります。
廃棄物処理の許可には、廃棄物の種類や処理方法まで定められており、委託する種類の許可を持つ処理業者への委託が必要です。
処理業者によって許可を持つ廃棄物の種類が異なるため、混合廃棄物の処理を委託する際は、混ざり合う全ての種類を扱うことができる業者を選ばなくてはなりません。
処理の委託契約を交わす際は、委託先業者の許可証を確かめる必要があります。
複数の廃棄物が混合され、混ざった状態で排出される場合があります。
その産業廃棄物は混合廃棄物として扱われます。
例えばシュレッダーダストは「プラスチック類、ゴムくず、金属くずの混合物」として扱われることがあります。
どのようなものが混合廃棄物とされるのかについての明確な基準は設けられていませんが、例えば「油分を含むでい状物」については、環境省の通知「油分を含むでい状物の取り扱いについて」(昭和51年11月18日、環水企181号、環産17号)で基準が定められています。
その通知では「油分をおおむね5%以上含むでい物は汚泥と廃油の混合物」として扱われ、この条件に該当しないものは「汚泥(油分を含む汚泥)」とされています。
混合物の処理を委託する際は、混合している全ての廃棄物についての許可を持っている廃棄物処理業者に委託しなければなりません。
混合廃棄物の分類
混合廃棄物は大きく分けて3つの分類に分かれます。その分類方法について、詳しくご紹介いたします。
1.安定型混合廃棄物
有害物質や有機物などが付着しておらず、また雨水などにさらされてもほとんど変化しない、生活環境保全上の支障の恐れが少ない産業廃棄物のことです。産業廃棄物処理工程の最終である処分場に埋立処分が可能な廃棄物のことを「安定型産業廃棄物」といいます。具体的には以下の6つが該当します。
廃プラスチック類
ゴムくず
金属くず
ガラスくず・コンクリートくず・及び陶磁器くず
がれき類
この安定型産業廃棄物だけで構成された混合廃棄物を、安定型混合廃棄物と呼びます。
2.建設混合廃棄物
建設工事のより発生し、上記の安定型産業廃棄物に加えて木くず、紙くず等の廃棄物が混在しているものを建設混合廃棄物と呼びます。
この建設混合廃棄物から安定型産業廃棄物を選別し、(手、ふるい、風力、磁力、電気等を用いることにより)熱しゃく量を5%以下とした場合、当該廃棄物は安定型産業廃棄物として取り扱うことが出来ます。
3.管理型混合廃棄物
最終処分で埋め立てた時にしみ出す水が地下水等の自然環境を汚染してしまう可能性があり、厳格な規定で管理されている管理型最終処分場でのみ埋め立て処分ができる産業廃棄物のことを「管理型産業廃棄物」と呼びます。
安定型産業廃棄物と、有害物質が基準値を超えて含まれる廃棄物(燃え殻・ばいじん・汚泥など)以外の全ての品目を指し、これらが混ざり合うものを管理型混合廃棄物として取り扱います。
安定型産業廃棄物の中に少しでも管理型産業廃棄物が混ざると、管理型混合廃棄物として取り扱わなくてはなりません。
特別管理産業廃棄物の種類
特別管理産業廃棄物とは廃棄物処理法では、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を特別管理産業廃棄物として規定し、必要な処理基準を設け、通常の廃棄物よりも厳しい規制を行っています。
特別管理産業廃棄物の一覧
※平成28年4月1日から廃水銀等が特別管理産業廃棄物に指定されました。
※1 処分するために処理したもので、省令に定める基準に適合しないものを含む。
※2 特定施設において生じたもの
産業廃棄物は、排出事業者責任の原則に基づき、事業者がその処理責任を負います。
事業者は、自ら特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託しなければなりません。
引用:東京都環境局
排出事業責任
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第3条第1項において、事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならないとされており、
また、同法第11条第1項において、事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならないとされています(排出事業者責任)。
廃棄物処理業者に産業廃棄物の処理を委託した場合であっても、排出事業者に処理責任があることに変わりはありません。
廃棄物処理法第12条第7項では、事業者は、産業廃棄物の最終処分が終了するまでの一連の処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととされています。
不適正な処理を行う廃棄物処理業者に委託していたことが明らかになれば、排出事業者も廃棄物処理法の措置命令の対象になる可能性があるとともに、社名等が公表され、コンプライアンスを十分に果たしていない事業者として社会的な評価を落としかねないリスクを十分に認識する必要があります。
参照:wikiぺディア
総排出量
環境省によれば、1995年度(平成7年度)以降、4億トン前後で推移している。但し、リサイクルや廃棄物を燃やして減量化する等した上での、最終処分量は約916万トンであり、年々減少傾向にあります。
産業廃棄物の排出量
種類別上位3品目
総排出量の約8割を占める。令和元年。
汚泥 44.3%(排出量:約1億7,084万t)
動物のふん尿 20.9%(排出量:約8,079万t)
がれき類 15.3%(排出量:約5,893万t)
参照:wikiぺディア
処理の流れ
廃棄物を排出した後のフローは以下になります。
この一連の処理の流れを廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)では排出事業者には、マニフェストを作成して「委託した産業廃棄物が適正に処理されたか否か」を確認する義務が課せられています。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)を作成し、廃棄物の処理が適正に実施されたかどうか確認するために作成する書類です。
排出事業者の交付するマニフェストには、誰がどのような産業廃棄物をどのように取り扱うかということが記載されています。